第84課 愛徳の勧め(ルカ 14・12~14)

 イエズス様はファリサイ派の人の家に食事に招かれた時、招待された人々が、互いに席を譲りあうようにお勧めになってから、その家の主人に次のようにお話しになりました。

 「あなたが昼食や夕食の会を催すときには、友人、兄弟、親戚、近所の金持たちを呼んではいけない。その人たちはあなたを招いて、お返しをするかもしれないからである。あなたが宴会を催すときには、むしろ、貧しい人、体の不自由な人、足の不自由な人、目の見えない人たちを招きなさい。そうすればあなたは幸いである。その人たちはあなたにお返しができないから、正しい人が復活するとき、あなたは報いを受けるであろう」

 この言葉をもってイエズス様は本当の愛の意味を説明なさいました。本当の愛は報いを求めないものであると、イエズス様はお教えになったのです。

 その時、イエズス様は人々を食事に招くことについてお話しになりましたが、教えられたことは、すべての親切や奉仕にあてはめられると思います。つまり、人の為に何かよいことをする時、その人からお返しを求める気持があるならば、その人の為にしているというより自分の利益の為にやっているのですから、それは本当の愛の行為とはいえません。本当の愛の行ないをするには、自分の利益を全く求めず、ただ、相手の幸せだけを考えるべきだとイエズス様は教えられたのです。

 神様の愛はそのようなものです。神様は限りなく私たちを愛してくださり、豊かに恵みを与えてくださいますが、ご自分の利益のことは全然お考えになりません。神様のようにお返しを期待しないで人々を愛する人は幸いであると、イエズス様はおっしゃいました。何故かと言いますと、その人は神様に豊かに祝福されるからです。

(つづく)