第83課 謙遜の勧め(ルカ 14・7~11)

 ある町でイエズス様は、ファリサイ派の人に食事に招かれましたが、その時そこに集まっている人が皆一番いい席を取ろうとしていることをご覧になり、たとえ話で彼らをいましめられました。

 「結婚披露宴に招かれたときには、上席についてはならない。あなたより身分の高い人が招かれていて、あなたやその人を招いた人が来て、『このかたに席を譲ってください』と言うかもしれない。そうすると、あなたは恥ずかしい思いをして、末席につくことになる。むしろ、招かれたときには、末席に座りなさい。そうすると、あなたを招いた人が来て、『友よ、もっと上席へ進んでください』と言うであろう。そのとき、あなたは同席しているすべての人の前で、面目をほどこすことになる。だれでもみずから高ぶる者は下げられ、みずからへりくだる者は上げられるのである」

 このたとえ話によってイエズス様は、ごうまんのおろかさと謙遜のすばらしさをお教えになりました。

 謙遜の意味は誤解されていることが多いと思います。謙遜とは自分がつまらない者だと思うことではありません。私たちは皆、神様の作品ですから、一人ひとりすばらしいものなのです。謙遜な人はその事実をよく認識していますが、それと同時に、自分の命や才能や、すべての力などが神様から与えられた恵みであり、神様の御助けがなければ自分の力だけでは何も出来ないということを知っていますので、へりくだった態度をとるのです。

 また謙遜な人は、それと同時に、周りの人々が皆、神様の作品としてすばらしいものであることを認めますので、尊敬をもって彼らを先に、そして自分を後にします。そのような態度を取る人はこの世においても後の世においても上げられ、大いに報われるであろうとイエズス様はおっしやったのです。

(つづく)