第82課 狭い戸口(ルカ 13・22~30)

 ある人がイエズス様に、「主よ、救われる人は少ないのでしょうか」と尋ねました。

 イエズス様は、救われる人が多いか少ないかということには直接お答えになりませんでしたが、その代りに、天国に入ることができるようにいつも心がけて、悪をさけ、善を行ない忠実に正しい生活を送るようにお勧めになり、その人に、「狭い戸口から入るように努めなさい。あなたがたに言っておく。入ろうとしても、入れない人が多いからである」とおっしゃったのです。

 それからイエズス様は神様を宴会を催した主人におたとえになりました。招かれた人々が皆中に入ってから、その主人は戸を閉めました。あとでやって来た人々が戸口をたたいて、「ご主人さま、開けてください」と言いましたが、主人は「わたしはあなたがたが、どこの者だか知らない」と答えました。

 すると彼らは「わたしたちは、あなたがおられる席で食べたり飲んだりしました。また、あなたはわたしたちを広場で教えてくださいました」と言いました。しかし主人は「わたしはあなたがたが、どこの者だか知らない。悪を行なう者ども、みんな、わたしのところから去って行け」と答えました。

 イエズス様はイスラエル人としてこの世におくだりになって、イスラエルの国でご自分のみ教えを述べられました。しかし、イエズス様は、先のたとえ話によって、ご自分と一緒に食事をしたり、ご自分の話を聞いたりした人々が、必ずしもみな救われるわけではなくご自分のみ教えを信じ、それを実行する人々だけが神の国に入ることができるとお教えになったのです。

 ですから注意をして、狭い戸口から天国に入るように努めなさいと、弟子たちにお勧めになりました。

(つづく)