第77課 善きサマリア人(ルカ 10・25~37)

 イエズス様がガリラヤからエルサレムヘ行かれる途中で、ある律法学者が様に 「先生、永遠のいのちをいただくためには、何をしなければなりませんか」と尋ねました。 様は逆に「律法にはなんと書いてあるか」とお聞きになりました。

 律法学者は旧約聖書の言葉を引用して、「心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思 いを尽くして、あなたの神である主を愛せよ。また、隣人をあなた自身のように愛せよ」 と答えました。様は、「あなたの答えは正しい。それを実行しなさい。そうすれ ば、生きるであろう」とおっしゃいました。

 ところが律法学者は、「わたくしの隣人とはだれですか」と聞きました。するとイエズ ス様は次のようなたとえ話でお答えになりました。

 ある人がエルサレムからエリコに下って行く途中で強盗に襲われました。強盗はその人 を半殺しにして去って行きました。そのあとにユダヤ教の祭司、つづいて神殿につとめて いるレビ人が、そこを通りかかりましたが、2人とも道ばたに倒れている人を見ても何も 世話をしないで、道の向こうがわを通って行ってしまいました。ところが、そのあとで、 一人のサマリア人がそこにやって来ました。その当時、サマリア人とイスラエル人は仲が 悪かったのですが、そのサマリア人は死にかかっているイスラェル人を見て哀れに思い、 彼の傷口に油とぶどう酒を注ぎ、包帯をしました。そして自分のろばに乗せて近くの宿屋 に連れて行き、宿屋の主人にお金を払って、その人を介抱するように頼みました。

 このたとえ話を述べられてから、様は律法学者に、「あなたはこの三人のうち、 だれが、強盗に襲われた人に対して、隣人としてふるまったと思うか」とお聞きになりま した。律法学者は「あわれみをほどこした人です」と答えました。すると様は、 「では、あなたも行って、同じようにしなさい」とおっしゃったのです。

(つづく)