第76課 72人の弟子(ルカ 10・1~24)

 イエズス様のこの世での人生はだんだんと終りに近づいてきました。それでイエズス様は、長い間、福音宣教をなさったガリラヤを離れてエルサレムヘ向かって出発なさいました。

 その途中でイエズス様は72人の弟子たちを指名なさって、ご自分が行かれるつもりの町や村に2人ずつ先にお遣わしになり、「人々に『神の国は近づいた』と言いなさい。…あなたたちに聞く者は、わたしに聞く者であり、あなたたちを拒む者は、わたしを拒む者である。わたしを拒む者は、わたしを遣わされた方を拒むのである」とおっしゃいました。

 イエズス様のお言葉をうけて72人の弟子たちは出掛けて行って、あちこちの村や町で神の国とイエズス様のことについて人々に話しました。そのあとイエズス様のもとへ帰って来た弟子たちは大喜びで、「主よ、悪魔どもさえ、お名前を使って命ずると、わたくしたちに服従します」と報告しました。

 イエズス様は「悪霊どもがあなたたちに服従するからといって、喜んではならない。むしろあなたたちの名が天に書き記されていることを喜びなさい」とおっしゃいました。

 そして、イエズス様は喜びにあふれて天をあおぎ、御父に祈りをささげられました。「天地の主である父、わたくしはあなたをほめたたえます。あなたは、これらのことを知恵のある人や賢い人には覆い隠し、小さい者に現わしてくださいました。そうです。父よ、これはあなたのみ心でした」

 それからイエズス様は弟子たちを振り返られ、「あなたたちが見ているものを見る目は、幸いである。あなたたちに言っておく。多くの預言者や王たちは、あなたたちが見ているものを見ようと望んだが、見ることができず、あなたたちが聞いていることを聞こうと望んだが、聞くことができなかったのである」とおっしゃったのです。

(つづく)