第61課 パンと魚をふやす(マルコ 6・30~44)

 弟子たちが宣教の旅から帰ってイエズス様のもとへ戻った時、イエズス様は「さあ、あなたたちだけ、ついて来なさい。人里離れた所に行こう。そこでしばらく休みなさい」とおっしゃいました。

 それからイエズス様は弟子たちと一緒に舟に乗られ、ガリラヤ湖の北の方へ行かれました。そこでイエズス様は12人の弟子と一緒にゆっくり休まれるつもりでしたが、舟が岸に着いた時、方々から人々が集まって来ました。聖書には、「イエズスは大勢の群衆をごらんになり、牧者のない羊のようなそのありさまを、哀れに思い、いろいろと教え始められた」と書かれています。

 説教が終わった時、弟子たちはイエズス様に近づいて、「ここは人里離れた所です。もう、時もだいぶたちました。みんなを解散させてください。そうすれば、周りの村里や村々に行って何か食べる物を買うことができるでしょう」と言いました。

 イエズス様は「食べる物をあなたたちがやりなさい」とおっしゃいました。弟子たちは5つのパンと2匹の魚しか持っていませんでしたので、こんなに大勢の人々に食べさせることはできないと説明しました。そのあとの様子は聖書に次のように書かれています。

 「イエズスは皆を組に分けて青草の上に座らせるように、弟子たちにお命じになった。人々は100人ずつ、あるいは50人ずつまとまって座った。そこで、イエズスは5つのパンと2匹の魚を取り、天を仰ぎ、賛美をささげてパンを手で分け、弟子たちに渡し、皆に配らせ、2匹の魚も皆に分け与えられた。皆は満腹するまで食べた。そして残ったパン切れと魚を集めると、12のかごにいっぱいになった。パンを食べた人は男5000人であった」

(つづく)