第58課 ゲラサの悪魔つき(ルカ 8・26~39)

 舟がガリラヤ湖の東の岸に着きますと、たくさんの悪魔につかれた男の人がイエズス様を迎えました。聖書によると、この人は墓に住み、夜も昼もなく山で叫びたて、自分の身体を石で傷つけていました。

 イエズス様は悪魔たちにその人から出るようにおっしゃいましたが、彼らは、その場所から追い出さないで近くの豚の群れの中に行くのを許してくださるように願いました。イエズス様はそれをお許しになりましたので、悪魔たちはその人から出ていき豚の群れの中に入りました。すると豚の群れは崖から湖へなだれ落ち、おぼれて死んでしまいました。

 近くに住む大勢の人々が、この話を聞いて、悪魔につかれていた人のところに集まって来ると、その人は、おとなしくイエズス様のそばに座っていました。イエズス様があまりにも大きな力をもっておられることを知った彼らは、イエズス様と弟子たちにその地方から出るように頼みました。

 弟子たちが出掛ける準備をしている時、悪魔につかれていた人は一緒に舟に乗りたいと思いましたが、イエズス様はそれをお許しにならないで、「あなたの家に帰りなさい。そして、神があなたになさったことをことごとく語りなさい」とおっしゃいました。聖書には「その男はそこを立ち去り、イエズスが自分になさったことを、ことごとく町じゅうに言い広めた」と書かれています。

 その人は悪魔から解放されたことを大変喜びましたが、私たちも、イエズス様のおん力によって罪から解放される時に、同じような喜びを体験することができます。

(つづく)