第50課 山上の説教結び(マタイ 7・13~29)

 今迄話しましたように、イエズス様は山上の説教で、たくさんのすばらしい教えを述べられました。それが全部実行できると人は聖人になります。これはむずかしいことですが、山上の説教の終りに、イエズス様は天国に入りたいと思えば、できるだけ完全にそのみ教えを実行するようにお勧めになりました。「狭い門から入りなさい。滅びへの門は広く、そこに通じる道は広々としていて、そこから入る者は多い」と、イエズス様はおっしゃいました。

 また、前に言いましたように、イエズス様は神様の恵みを受けるために、よく祈るようにお勧めになりましたが、その後で、永遠の救いを得るためには、口で祈るだけでなく、ご自分のみ教えに従って生活し、神様のみ旨にかなうことが必要であることを教えられました。「わたしに向かって、『主よ、主よ』と言う者が皆、天の国に入るのではない。天におられるわたしの父のみ旨を行なう者だけが入るのである」とおっしゃったのです。

 そして最後に、山上の説教の結びとして、人生を建物にたとえて、ご自分のみ教えを生活の土台とするようにお勧めになりました。

 「以上のわたしの言葉を聞いて実行する者は皆、岩の上に家を建てた賢い人にたとえられる。雨が降り、大水となり、風が吹いて、その家を襲ったが、倒れなかった。その家は岩の上に土台を据えていたからである。しかし、わたしの言葉を聞くだけで実行しない者は、砂の上に家を建てた愚かな人にたとえられる。雨が降り、大水となり、風が吹いて、その家に襲いかかると、家は倒れたが、その倒れようはひどかった」とイエズス様はおっしゃいました。

 自分の生活の土台は何であるかを度々考えるべきだと思います。

(つづく)