第47課 思い煩ってはならない(マタイ 6・25~34)

 つづいてイエズス様は、人生のすべてを神様にまかせて、心配しないようにとお勧めになりました。そのことを強調するために空の鳥と野のゆりの例を挙げられました。空の鳥や野のゆりには苦労がなく、生活の心配もしません。しかし神様は空の鳥や野のゆりをいつも養ってくださっています。

 神様はそのような小さなものにさえ、えさと着るものをお与えになるのですから、人間にはなおさら必要なものを与えてくださるはずですとイエズス様はおっしゃいました。ですから神様を信頼して、空の鳥や野のゆりのように心配しないで生活するようにと、弟子たちにお勧めになりました。

 「あなたがたは、『何を食べようか』、『何を飲もうか』、『何を着ようか』と思い煩ってはならない。・・・あなたがたの天の父は、これらのものが皆、必要であることを知っておられる。まず、神の国とそのみ旨を行なう生活を求めなさい。そうすれば、これらのものも皆、加えて、あなたがたに与えられるであろう」とイエズス様はおっしゃいました。

 もちろんイエズス様は、お金や財産に対して全然関心を持たないようにとお教えになったわけではありません。生活のために必要なものや、自分の務めを果たすのに必要な財産を持つために働くことは、神様のみ旨です。しかし、あくまでも、そういったものは人生の道具にすぎないということを心に留めて、財産をふやすことが人生の目的にならないように注意しなければならない、とお教えになったのです。

(つづく)