第42課 汝、姦淫するなかれ(マタイ 5・27~32 マルコ 10・6~9)

 イエズス様は、ひきつづいてもう一つの例として、十戒の6番目の戒め「汝、姦淫するなかれ」の本当の意味を説明なさいました。「『姦通してはならない』と命じられたのを、あなたがたは聞いている。しかし、わたしはあなたがたに言う。だれでも情欲を抱いて女を見る者は、その女に対し心の中ですでに姦通の罪を犯したことになる」とおっしゃいました。

 5番目の戒めについてお話しになった時に、その戒めによって殺人だけでなく、心の中のすべての憎しみも禁じられていると、イエズス様は説明なさいましたが、同じように6番目の戒めによって、男女の間の行いによる不潔な関係だけでなく、心の中の不潔な考えも皆禁じられていると教えられました。

 次にイエズス様は、性道徳に関係のある離婚の問題についてお話しになりました。

 「『妻を離縁する者は、妻に離縁状を渡せ』と命じられている。しかし、わたしはあなたがたに言う。非合法な結婚の場合は別だが、それ以外の理由で妻を離縁する者は皆、姦通の罪を犯す機会を妻に与えることになる。また離縁された女をめとる者も、姦通の罪を犯すことになる」とおっしゃったのです。

 また、別の時にイエズス様は、離婚はどうして許されないかを説明なさいました。

 「神は天地創造の初めから、『人間を男と女に造られた』。『それゆえ、人は父母を離れ、妻と結ばれ、二人は一体となるのである』・・・それゆえ、神が合わせたものを、人間が離してはならない」とおっしゃったのであります。

(つづく)