第31課 真福八端(マタイ 5・1~10)

 聖書の中にはたくさんのイエズス様の説教が書かれていますが、最も有名なのは「山上の説教」といわれています。イエズス様は、ある日、弟子たちと一緒にガリラヤ湖の近くをお歩きになっていた時、イエズス様の話を聞きたいと思って集まっている大勢の人々をご覧になりました。そして、皆によく聞こえるように高い所へお登りになって話し始められました。

 「山上の説教」の一番初めに、イエズス様は「真福八端」と言われている、まことの幸福の八つの基を述べられました。その話を聞いた人々は大変驚いたと思います。彼らは現代人と同じように、楽な生活、豊かな生活を送ることを幸せだと思っていましたが、イエズス様が全く違うことをおっしゃったからです。

 イエズス様が教えられた八つの幸福はマタイ福音書に次のように書かれています。

 「自分の貧しさを知る人は幸いである、天の国はその人のものだからである。悲しむ人は幸いである、その人は慰められるであろう。柔和な人は幸いである、その人は地を受け継ぐであろう。義に飢えかわく人は幸いである、その人は満たされるであろう。あわれみ深い人は幸いである、その人はあわれみを受けるであろう。心の清い人は幸いである、その人は神を見るであろう。平和をもたらす人は幸いである、その人は神の子と呼ばれるであろう。義のために迫害される人は幸いである、天の国はその人のものだからである」

(つづく)