第27課 ベテスダの池(ヨハネ 5・1~18)

 イエズス様は公生活をお始めになって1年後、再び、過越祭を祝うためにガリラヤからエルサレムヘ行かれました。或る日、イエズス様は、神殿の近くのベテスダという池の前をお通りになった時、池の周りに大勢の病人が横たわっているのを御覧になりました。

 時々、その池の水は動きますが、人々はそれが超自然的な現象だと思って、水が動いた時、まっ先に池に入る者は、どんな病気にかかっていても完全に治ると信じていました。ですから病人たちは、そこに集まって水の動くのを待っていました。

 その中に38年間も病気で苦しんでいる人がいました。イエズス様はその人に向かって、「よくなりたいのか」とお聞きになりました。病人は「主よ、水が動くとき、わたしを池に入れてくれる人がいません。わたしが行くうちに、ほかの人が先に降りてしまうのです。」と答えました。イエズス様は「起きなさい。寝床を取り上げて、歩きなさい」とおっしゃいました。すると、その人の病気はすぐに治り、その人は床を取り上げて歩き出しました。

 病気が治ったその人は神様に感謝するために、その後、神殿に入りました。そして、そこでイエズス様はその人にお会いになり、「さあ、あなたはよくなった。もっと悪いことがあなたに起こらないように、もう罪を犯してはいけない」とおっしゃいました。

 聖書によりますと、すべての苦しみは罪の結果ですが、その時、イエズス様が、おっしゃった言葉の中の「もっと悪いこと」というのは、病気とか肉体的な苦しみではなく、罪を犯すことによって永遠の生命を失う、ということを意味していたのです。

(つづく)