第24課 中風を患っている人(ルカ 5・17~26)

 イエズス様がカファルナウムへお帰りになって、み教えを述べておられる時、聞いている人々の中に律法学者とファリサイ派の人々がまじっていました。この人たちはユダヤ教の指導的立場にあり、一般の社会でも大きな力を持っていましたが、イエズス様が公の生活を始められた頃から、嫉妬心のためにイエズス様に反対していました。

 イエズス様が人々に教えておられると、そこへ中風を患っている人が寝床のまま運ばれてきました。イエズス様はその人をご覧になって「あなたの罪はゆるされた」とおっしゃいました。その言葉を聞いた律法学者とファリサイ派の人々は、「冒涜の言葉をはくこの者は、いったい何者だ。ただ神のほかに、だれが罪をゆるすことができようか」と考えました。つまり、イエズス様がご自分の力で罪をゆるすとおっしゃり、神としての力を持っていることを示されたということは最大の罪だと、彼らは考えたのです。

 イエズス様は彼らが心の中で考えていることを見抜かれ、「『あなたの罪はゆるされた』と言うのと、『起きて、歩け』と言うのと、どちらがやさしいか。人の子(私)が地上において罪をゆるす権能を持っていることを、あなたがたに知らせてあげよう」とおっしゃいました。それからイエズス様は中風を患っている人に向かって、「起きなさい、寝床を持って家に帰りなさい」とおっしゃいました。すると床に寝ていた人は治って、すぐに起き上がり、寝ていた床を持って自分の家へ帰って行きました。

 イエズス様はその時はっきりとご自分が神としての力を持っていることを述べられ、奇跡を行うことによって、そのことを証明なさいました。

(つづく)