第20課 特別な弟子(マタイ 4・18~22)

 イエズス様はカナの村からカファルナウムの町へ行かれましたが、途中でガリラヤ湖のほとりをお歩きになり、そこで2人の漁師ペトロとその兄弟のアンデレに出会われました。この2人はその時、湖で網をうっていましたが、イエズス様は彼らに「わたしについて来なさい。あなたたちを、人をすなどる者にしよう」とおっしゃいました。それは、これからは網で魚をとるのではなく、人々を天国へ導くものにしようということを意味します。この2人はイエズスの招きに応えて網をそのままにしてイエズス様に従いました。

 それからもう少し歩いていかれますと、イエズス様は漁師ヤコブとその兄弟ヨハネの2人が、父ゼベダイと一緒に舟にのっているのをご覧になりました。イエズス様はこの2人にも同じように「わたしについて来なさい」とおっしゃいますと、この2人も父を舟に残してイエズス様に従ったのです。

 イエズス様が初めてこの4人にお会いになったのは、数ケ月前、ヨルダン川で洗礼者ヨハネから洗礼を受けられた時でしたが、今度は正式に彼らをご自分の特別の弟子として、あとで建てられる教会の指導者としてお選びになりました。

 イエズス様は指導者の役割を果たすための弟子として、学者や金持、また、身分の高い人たちではなく、平凡な、あまり教育のない、貧しい労働者をお選びになりました。それは彼らの使命が、自分の力によってではなく、神様の力によって果たされるものであることを示すためでした。ですから、イエズス様はわざと偉い人ではなく、単純で、謙遜な心の持ち主、素直に神様のみ言葉を聞く人々をお選びになったのであります。

(つづく)