第18課 ナザレの会堂(ルカ 4・16~30)

 イエズス様はエルサレムからガリラヤへお帰りになった時、まず始めに30才迄お暮らしになったご自分の故郷のナザレへいかれました。

 そして、安息日に会堂の礼拝に参加なさいました。イスラエル人は会堂に集まると、いつも旧約聖書のことばを読みましたが、その日、イエズス様は皆の前にお立ちになり次のイザヤのことばを朗読なさいました。

 「主の霊がわたしの上におられる。主はわたしに油をお注ぎになったからである。主がわたしをお遣わしになったのは、貧しい者に良いおとずれを伝え、捕らわれびとに釈放を、盲人に視力の回復を告げ、おさえつけられている者に自由を与え、主の恵みの年を告げ知らせるためである」

 イザヤはこのことばによって救い主を預言しましたが、その時、イエズス様は集まっている人々に向かって「この聖書のことばは、あなたがたが耳にしたこの日に、成就した」とおっしゃいました。つまり、ご自分が預言された救い主であることを述べられました。

 その話を聞いていた人々は大変驚いて嫉妬心を起こし、イエズス様を殺そうとしました。近くの山の頂上迄イエズス様を連れて行って、そのがけからイエズス様を突き落とそうとしました。しかしイエズス様は彼らの間を通り抜けて去って行かれました。

 サマリアの国ではイエズス様の話を聞いて、大勢の人々が、イエズス様を救い主として信じるようになりましたが、このナザレの人々は嫉妬心のためにイエズス様を信じることができませんでした。

 イエズス様がおっしゃったように、預言者が尊敬されないのは自分の故郷だけであります。

(つづく)