第15課 生きる水(ヨハネ 4・1~15)

 過越の祭りが終わってから、イエズス様は弟子たちと一緒にガリラヤへ戻られ、その途中でサマリアの国をお通りになりました。そしてある時、弟子たちが近くの町へ食べ物を買いに行っている間、イエズス様は一人で、イスラエル人の先祖であるヤコブが作った井戸のかたわらで休んでおられました。

 その時サマリア人のある女の人が水を汲みに来ました。その当時イスラエル人はサマリア人を敵として考えていましたが、イエズス様はその女の人に「水を飲ませてください」とおっしゃいました。彼女は驚いて「ユダヤ人のあなたがサマリアの女のわたしにどうして水を飲ませてくれとおっしゃるのですか」と聞きました。すると、イエズス様は「もし、あなたが神の賜物のことを知っており、また、『水を飲ませてください』と言ったのが、だれであるかを知っていたなら、あなたの方からその人に願い出たであろうし、また、その人はあなたに生きる水を与えたことであろう」とおっしゃいました。

 女の人は「主よ、あなたは汲むものを持っていませんし、井戸は深いのです。どこからその生きる水を汲んで来るのですか」と聞きました。イエズス様はそれにお答えになって「この水を飲む人は皆、またのどが渇く。しかし、わたしが与える水を飲む人は、永遠に渇くことがない。それどころか、わたしが与える水は、その人の中で泉となって、永遠の命に至る水が湧き出る」とおっしゃったのです。

 その女の人は「主よ、のどが渇くことのないように、また、ここまで汲みに来なくてもいいように、その水をください」と言いましたが、イエズス様はその時、井戸から汲む水のことではなく、ご自分がお与えになる霊的な恵みについてお話しになったのであります。

(つづく)