第11課 カナでの結婚式(ヨハネ 2・1~12)

 イエズス様は悪魔の誘惑を退けられてからナザレという町へお戻りになりましたが、その時ナザレの近くのカナという村で、母であるマリア様の知り合いの方の結婚式が行われ、マリア様もイエズス様も招待されました。

 披露宴の途中でぶどう酒が足りなくなりましたので、マリア様は花嫁さんと花婿さんが可愛想だと思って、奇跡的に彼らを助けるように頼むつもりで、イエズス様に「ぶどう酒がありません」と言いました。イエズス様はまだ奇跡を行われるつもりはありませんでしたから「わたしの時はまだ来ていません」とお答えになって、おことわりになったのです。

 しかしマリア様は納得せずに、イエズス様を指して、「何でもこの人の言うとおりにしてください」と近くで給仕している人たちに言いました。お母さんがこれだけ熱心に望んでいるならばなんとかしないといけないと思われたイエズス様は、近くの水がめを指して給仕たちに「水がめに、水をいっぱい入れなさい」とおっしゃいました。給仕たちはイエズス様のおっしゃった通りにしました。そして水がめを運んでいるうちに、その中の水はおいしいぶどう酒に変わってしまいました。

 これはイエズス様が初めて行われた奇跡でしたが、これによってイエズス様の神様のおん独り子としての力がわかるのであります。またそれと同時にマリア様のイエズス様に対する力もわかります。イエズス様が奇跡を行われるつもりがない時にでもマリア様に頼まれると、イエズス様はそれを行なわれたからです。

 カトリック信者はイエズス様とマリア様の間のお母さんと子供としての特別な関係を考え、祈りの時に神様の恵みをお願いすると同時に、マリア様のおん取り次ぎも頼むのであります。

(つづく)