第9課 イエズスの受洗

 イスラエルの国には2つの湖があります。北の方のガリラヤ湖と南の方の死海であります。そして、この2つの間にヨルダン川が流れています。南の方の死海の周りに大きな砂漠がありますが、イエズス様が30才位になられた時、その砂漠に住んでいた洗礼者ヨハネという預言者がヨルダン川へ行って説教を述べ、集まって来る人たちに罪の赦しのしるしとして洗礼を授けていました。

 ある人々はヨハネが救い主ではないかと思いましたが、ヨハネはそれを否定し、

 「わたしは水であなたたちに洗礼を授けるが、わたしより力のあるかたが来られる。わたしは、そのかたのはきもののひもを解く値うちさえもない。そのかたは聖霊と火によって、あなたたちに洗礼をお授けになるであろう」と言いました。(ルカ3・16)

 ある日、ヨハネはイエズス様がおいでになるのを見て、イエズス様を指して弟子たちに「見るがよい。神の小羊だ」と言いました。(ヨハネ1・36) イエズス様がヨハネに近づきご自分に洗礼を授けるようにお頼みになると、ヨハネは「わたくしこそあなたから洗礼を受けるべきなのに、あなたがわたくしのところにおいでになったのですか」と言いました。しかし、イエズス様は「今は、止めないでください。このように、なすべきことをすべて果たすのは、わたしたちにとって正しいことです」と強くおっしゃいましたので、ヨハネはイエズス様に洗礼を授けたのです。(マタイ3・15)

 聖書によりますと、その時、イエズス様の頭の上に聖霊、つまり神様の霊が、鳩の形で現われ、天から「これはわが愛する子、わが心にかなう者である」という父なる神様のみ声が聞こえてきました。(マタイ3・17)

(つづく)