第6課 東の国の博士たち(マタイ 2・1~15)

 イエズス様がお生まれになった時、最初に拝みにきたのは、ベツレヘムの近くに住む貧しい羊飼いたちでした。また、聖書によりますと、それから間もなく東の国の天文学の博士たちも拝みに来ました。彼らは空に珍しい星を見て、それが救い主のしるしではないかと思い、その星にしたがってエルサレムに来ました。そしてイスラエル人の王であるヘロデに会って「お生まれになったユダヤ人の王はどこにおられますか」と聞きました。祭司たちに問いただしたヘロデは、救い主がベツレヘムで生まれると預言されていたことを知り、そのことを博士たちに知らせました。そして「行って、その幼な子を丹念に捜し、見つけたならば、わたしに知らせてくれ。私も拝みに行きたいから」と言いました。しかし、ヘロデはイエズス様を拝みに行くつもりはありませんでした。救い主が現われると自分の立場がなくなることを恐れ、ヘロデはイエズス様を殺つもりでした。

 博士たちはベツレヘムへ行ってイエズス様を見つけ、イエズス様を救い主として拝みましたが、ヘロデの悪だくみがわかりましたので、エルサレムへは帰らずに、ほかの道を通って自分たちの国へ帰りました。そのことを知ったヘロデは大変おこり、兵士たちを送ってベツレヘム付近の2才以下の男の子をすべて殺してしまいました。しかし、彼らはイエズス様を殺すことはできませんでした。何故かと言いますと、イエズス様の養父であるヨセフが神様からの啓示を受け、兵士たちがベツレヘムへ来る前に、マリア様とイエズス様をエジプトヘ連れて行ったからです。

 その時ヘロデは大変な権力者でしたが、彼の死後、ヘロデを尊敬する人は一人もいませんでした。けれどもその反対に、2000年後の今でも、世界中の国で、大勢の人々が、ヘロデが殺そうと思ったその幼な子を愛し、その幼な子イエズス様は私達に光を照らし続けてくださるのです。

(つづく)