第1課 マリアへのお告げ(ルカ 1・26~36)

 聖書によりますと、およそ2000年前に、神様のつかいとしてガブリエルという天使が、イスラエル国の北の方にあるナザレという町の、マリアという一人のお嬢さんに現われ、「恵まれた者、喜びなさい。主はあなたとともにおられます」と挨拶しました。マリア様はその挨拶を聞いて大変驚きました。天使はさらに続けて「マリア、恐れてはなりません。あなたは神から恵みを頂いたのです。あなたはみごもって男の子を産むでしょう。その名をイエズスとつけなさい」と言いました。

 それを聞いたマリア様は益々驚いて、「どうしてそのようなことがありえましょうか、わたくしは男の人をしりませんのに」とたずねました。天使は「聖霊があなたに臨み、いと高きおん者の力があなたを覆うでしょう。それゆえ、お生まれになる子は聖なる者で、神の子と呼ばれます」と説明しました。その時マリア様はヨセフという人のいいなずけでしたが、まだ結婚していませんでした。しかし、天使はマリア様が神様の力によって、乙女でありながら母になることを伝えました。

 神様の力を知らない人は、そのようなことは絶対ありえないというでしょうが、神様には無限の力があり、何もないところから天地万物をお創りになったことを考えれば、神様にとって、お母さんの胎内に直接子供をつくることは、少しもむずかしくないことがわかると思います。マリア様は天使の説明を聞いてから「わたくしは主のはしためです。おことばどおり、この身になりますように」と答えました。このようにしてマリア様は神様の おん独り子であり、全人類の救い主であるイエズス・キリスト様の母となったのです。

(つづく)