ある人生哲学

Smile of the Sun - 太陽のほほえみイメージ

 「いつも一番良いことを望み、そして一番悪いことのために準備をする」

 これは大きな成功を収めたある実業家の人生哲学を要約した言葉である。

 これに含まれている哲学は二つある。優れた知恵と対照を示している。最初の部分は、新しい事業に着手する場合の勇気の基礎となる。次の部分は、自分の事業が失敗に終わった場合にも落胆しない助けとなる。「いつも一番良いことを望む」と彼は言う。

 新しい冒険的な事業を勧められたら、じっくりとよく考える。彼は成功の可能性を調べて、多くの人に意見も聞く。それから、その事業をやって行くか、忘れてしまうかを決める。

 そして、もし、冒険することに決めたら、楽観的な気持ちでそれに取り組む。だから自信と勇気を持って押し進む。彼には楽観的な見通しがあるから、一生懸命働くことも苦にならない。

 それと同時に、この成功した事業家は、常に失敗を受け入れる準備をしている。「一番悪いことのために準備をする」のである。成功を望んでいる時も、よく計画された冒険でも失敗に終わり得ることを忘れない。

 彼は今日までに多くの失敗を経験してきたが、一度もくじけなかった。いつも準備をしていたからである。失敗を食い止められない時は、その仕事を諦め、すぐに次の新しい計画に目を向けたのである。

 彼の失敗は忘れられたが、その成功は残った。そして、楽観的な見通しに裏付けられた勇気と決意をもって、今も前進を続けている。

 "いつも一番良いことを望み、そして一番悪いことのために準備をしながら。"