初めの頃、スミス氏は、間違いを直すのを遠慮した。しかし、Tさんは「このレッスンの目的は、私の英語を上達させることです。もし、私が間違ったら教えてください。同じ文章を100回繰り返す必要があれば、やります。私は正しく言いたいのです」と社長は言った。
3ケ月の間、社長は勉強を休んだことがなかった。旅行に出かける前の最後の週末、彼はスミス氏を山のホテルへ招待した。先生への感謝のしるしということだったが、これもまた、英語の最後のテストのためであった。
彼は外国旅行者が泊まるホテルに予約した。そこの従業員はすべて英語を話す。3日間、彼は日本語を使わなかったのである。「今一生懸命やれば、外国へ行った時、楽でしょう」と彼はスミス氏に語った。
Tさんが旅立つ日、スミス氏は感嘆の心で見送った。語学学校の校長として、彼は多くの生徒に教えてきたが、勉強に注ぐ熱意という点で、Tさんほど彼を感服させた生徒は、今までなかったということである。