ボイレスは、たくさん給料をもらうだけでは、人生で満足が得られないことを知っていたのである。彼は、自分の仕事に目的が欲しかった。そのために、給料の安いコーチの仕事を引き受けることにした。
アーカンザス大学のフットボールチームのヘッドコーチとして、彼は、長い間、若い学生を訓練しながら味わった充実感を、熱心な口調で語っていた。高い給料があっても買えないような幸福感を、彼の"天職"がもたらしたのである。
「若い人たちが、単に金銭上の報酬を考えて仕事を選ぶのは悲しいことです。」とボイレスは語り、さらにこう言っていた。「それはただの仕事であって、天職ではありません。それは、仕事から何かをとるか、仕事に何かを注ぎ込むか、どちらを重く見るかで決まるのです。」