母の愛は偉大

Smile of the Sun - 太陽のほほえみイメージ

 献身的な母の愛は、時には、医者がほどこす最もすぐれた治寮よりも、病気を直す力をもつ。ヒサ子さんの例もその一つである。

 ヒサ子さんは五歳のとき、小児マヒにかかった。そして、なえた両足に装具をつけることになったが、小児マヒ診療所の医者は、装具がなければ、彼女は決して歩けないだろうと思っていた。

 ヒサ子さんは何か月もの間、痛みをこらえて練習を続け、遂に足 のつま先が動くことに成功した。母親はうれし涙にむせびながら、くり返してヒサ子さんをほめ、この進歩を喜んだ。そして、より一層の努力をするようにと小さい娘を励ました。練習を続けるうちに筋肉はだんだん強くなり、母親の喜びも増した。

 それから三年後の母の日、ヒサ子さんはお母さんに、ほかのどんなものも及ばないすばらしい愛の贈物をした。彼女は装具なしで、一人で歩いたのである。

 ある医者はこれに関して、注目すべきことを述べた。

 「彼女の固い決意は、母親の励ましの賜物です。母親の励ましの言葉を聞いた彼女は、強い決意があれば何でもできると思うようになったのです。医者と看護師だけが、何度彼女が倒れたか、そして涙を拭ってまた練習したかを知っています。彼女はあきらめなかったから成功したのです。彼女は母親のためにやりとげたのです」

 母の愛の力は実に偉大である。