2017年07月17日の心の糧


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新井 紀子

今日の心の糧イメージ 北海道へ移住して8度目の夏を迎えます。

8年の間に様々な人々との出会いがありました。羊飼いとして暮らす私には、羊を通しての友達ができま9した。夫は「千の風になって」という歌を作ったご縁で、アイヌの人々と友達になれました。「千の風になって」という歌をアイヌ語で歌いたいと手紙をもらったことがきっかけでした。釧路市の西隣に位置する、白糠町にあるアイヌのチセ(集会所)に私たち夫婦は招待され大歓迎を受けました。

アイヌの人々の中でも、阿寒湖温泉のコタン(村)に暮らす秋辺さんと夫は意気投合しました。会食をした時、秋辺さんからアイヌの言葉を教わりました。「イランカラプテ」です。「こんにちは」という意味なのですが、その奥に、あなたの心にそっと触れさせてください。そんな謙虚な気持ちが込められた挨拶の言葉なのだそうです。

「素晴らしい。これこそアイヌの世界観があらわれた挨拶だ。秋辺さん、一緒にイランカラプテの歌を作ろうよ」

秋辺さんと夫は電話で、ファックスで、メールで何度となくやり取りをしました。

昨年の夏、「イランカラプテ~君に逢えてよかった」作詞・秋辺デボと新井満、作曲・新井満が完成しました。北海道へやってくる旅人を暖かく迎えるこんな歌です。

遠い町からはるばると よく来てくれたね旅人よ
ここは森と湖の大地
鳥は歌い 風は大空を吹き渡る
イランカラプテ イランカラプテ
君に逢えてよかった 今日はいい日だ

私たちはなぜ北海道へ移住したのでしょうか。それは、アイヌの人々に出会い、一緒に「イランカラプテ」の歌を作らせようとする神様のお計らいだったのかもしれないと、ふと思うのです。