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マザー・テレサ(2)

ハヤット 神父

今日の心の糧イメージ

前回に引き続きマザー・テレサが「心のともしび」のテレビ番組でおっしゃった話をお送りします。

私はマザーに次のように尋ねました。「マザーとシスターたちの写真をたくさん見ましたが、こんなに大変なことをやっているのにいつも喜びに満ちているように見えますが、どうして、いつもそれほど幸せなのでしょうか」と。

するとマザーは、「私たちの貧しさが私たちに自由を与えるからです。すべての自由、特に神を愛する自由、貧しい人々を愛する自由、ひたむきな愛に生きる自由があることを喜んでいます」と言われました。

次に私は「日本は大変進歩していて裕福な国です。インドのようにたくさんの貧しい人々はいません。しかし、この国には精神的な貧しさがあると思います」と言いました。

するとマザーは次のようにおっしゃいました。

「私の会のシスターたちは、ニューヨーク、ロンドン、オランダ、ドイツなど、あちこちで働いています。それぞれの場所で、大勢の貧しい人々を見ています。それはただ、食べ物がないというような貧しさよりも、もっとひどい貧しさです。飢えている人には、パンやお米をあげると30分でお腹は満たされます。裸の人や寒さで震えている人に、着るものを与えるとすぐに暖かくなります。でも、孤独な人、見捨てられた人、おびえている人、心の傷ついた人、彼らがそれを忘れるように、また、心の痛みがとれるように、そして笑顔が戻るようにするには大変時間がかかります。そのような貧しさは、もっとも厳しい貧しさだと思います。そして、もう1つの貧しさは、人工中絶です。これは愛を殺すものです。神がご自分で愛するためにお創りになった子供を殺します」とおっしゃったのです。

次回はマザーのお話の最終回です。