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おおらかに

森田 直樹 神父

今日の心の糧イメージ

ばたばたと過ぎていく毎日。自分自身のことで頭が一杯になり、周りの人たちのことなどとても構うことができない毎日。そんな時に、ふと空を見上げてみることができれば、また、道端の草花に目をやることができれば、忙しさの真っただ中で、もがいている自分も、少しは違ったものの見方ができるのかもしれません。

何を食べようか、何を飲もうか、そして、何を着ようかとあくせくしている人たちに対して、イエスは、次のような言葉をかけています。

「空の鳥をよく見なさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。だが、あなたがたの天の父は鳥を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりも価値あるものではないか。...野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。」(マタイ6・26、28〜29)

何を食べようか、何を飲もうか、何を着ようかと悩んでいる人たちに対して、イエスは、空の鳥をよく見なさい、野の花をよく見て考えなさい、と呼びかけています。

そして、食べ物や飲み物よりも、命が大切であり、衣服よりも体が大切ではありませんか、とイエスは問いかけています。

さらに神さまは、空の鳥を養い、野の花を装ってくださるのだから、ましてや、あなた方人間にはさらによくしてくださるのですよ、と優しく諭されるのです。

何が一番大切なことか、どれを優先させるべきなのか、を空の鳥や野の花をじっと眺めながら、おおらかな心で思い巡らしていくと、本当に大切なことが見えてきますよ、とイエスは教えてくださっているのです。

ほっと一息ついて、空の鳥や野の花を眺めるおおらかな心をいつも持ち続けていたいものです。