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人生の教訓

湯川 千恵子

今日の心の糧イメージ

傘寿の坂を超えて自分の半生を振り返ると、何と想定外に事が進み、予想もしない道を歩んできたことかと思います。

長女をカトリック幼稚園に入れたのがきっかけで、3ヶ月後、夫と2人の幼児をつれて受洗したのは、一大転機です。

長男の出産で大出血し、輸血で助かったので、子どもは2人で諦めていました。しかし信仰を得て安心し、願ったら次男、3男と安産で恵まれました。

数年後、夫の仕事で一年間アメリカで暮らした時、カトリック教会に暖かく迎えられ、アメリカ人の明るい合理的な暮らしぶりや善意に触れて帰国後、そのことを伝えたくて体験記を出版。その縁でテレビのキャスターに引っ張り出され、体験談を話すなど、思いがけない展開です。

長女、長男が結婚し、孫も出来てほっとした矢先、夫を癌で失い、新しく1人で生きる術を求めてアメリカに行き、「還暦」で人生をリセットし、何か新しいことを学ぶという「東洋の智慧」に励まされてアメリカ留学を決意。60代はアメリカの大学、大学院で若い学生や年下の教授に助けられて社会福祉を学んだ日々でした。

自由に生きる喜びと厳しさを学び、勉強に行き詰まっても、諦めないで神に祈りながら励むと道は開かれることを体験しました。

 

卒業して帰国後、7年半の留学生活を3年かけて纏めて出版。その後、子ども時代の夏休み繪日記が絵本となって刊行され、さらに長年書いている「心のともしび」のエッセーが私の半生記として出版され、私の講演活動の内容と場が広がりました。

つい先月も故郷高知の女子高等学校で卒業前の女学生たちに私の半生をスライド写真を交えてお話してきました。若い清純な彼女たちが、これからの人生への教訓を何か感じ取ってくれたら・・・と願います。