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人生の教訓

土屋 至

今日の心の糧イメージ

これはぜひやってみたらいいとひとにおすすめできる私の「人生の教訓」を紹介しましょう。

それは、5人から8人くらいのメンバーが毎月1回くらい定期的にあつまって「分かち合い」をすることです。

「分かち合い」というのは、この前の集まりから今日までの間に「心を動かした体験」を聞き合うことです。意見とか考えとかの理屈を語るよりも、喜怒哀楽などの「気持ち」を伝えることです。

誰かの発言を批判したり、説教したり、アドバイスしたり、解釈したりすることはしないで、そのままを受けとめて共感します。

主語は常に「私」です。主語を「あなた」にすると説教になったり批判や非難になったりします。主語を「彼・彼女」にすると「うわさ話」になってしまいます。

ここではなんでも分かち合えます。もちろん、怒りや憂鬱さや悲しみなどのネガティブな気持ちも分かち合い、時にはともに涙を流すこともありました。

夫婦揃って参加することができたら最高です。夫婦げんかも分かち合い、ここで和解することもあったし、対立がますます激しくなって仲裁に入ってもらったこともあります。

私は妻と一緒にこの集まりに30年ちかく参加してきました。人生の半分近くをこの集まりとともに生きてきたし、おそらく生きている限り続いていくでしょう。

「定期的な集まりでの分かち合い」を30年続けるとどうなると思いますか? 兄弟や親戚以上のあるいは親友以上のきずなができあがります。ともに生きる小さなコミュニティ・共同体ができあがるのです。

ちょっと大げさな表現かもしれないけれど、私は一人だけの自分の人生を生きるだけにとどまらず、メンバーの数だけの人生を生きていくようなとてもぜいたくな喜びを感じています。