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心を開く

小林 陽子

今日の心の糧イメージ

わかちあい、こころのシェアの場でオープンになるのって、元来日本人は苦手といわれますね。

これはそもそも農耕民族の気性のなごりでしょうか。田植えも稲刈りもひとりでは出来ません。つねに属している村なり集落などの共同体のなかで持ちつ持たれつ、でやってきたのですから。

『場』を重んじ、対立を避けて穏やかにし、それは忍耐強く、ひかえめで温和な性質を育んできたのでしょう。いくら時代が変わっても、わたし達の体のなかにインプットされています。

ホンネとタテマエを使い分けたり、ひとの思惑を気にしてものを言っているーー。

でもマイナス面ばかりではありません。

東日本大震災の被災者の方達が、秩序を乱さず列に並んで静かに配られる食料を受け取り、寒さに耐えながら助けあって避難所に身を寄せる姿に、暴動も起きずわめくこともなかったという報道に、世界中の人が驚嘆したといいます。

けれどその美点はまた、内に内に溜めこんで、追いつめられても声をあげられない苦しみにゆきつくことがあります。

ことに勝ち組負け組などという線引き、目に見えない差別、貧富の格差など、生きづらい世の中になって、傷つきやすく繊細なひとほど、心を閉じてしまいがちです。

どうしたらいいでしょう?

あ、イエスさまこそ本当のことを言って嫌われた張本人でした!〈ありのままのあなたでいい、そのままのあなたを愛しているよ〉というイエスさまのいつくしみのまなざしを、百パーセント信じることができたら!

ひとに嫌われやしないか、バカにされたらどうしよう、などの恐れは、生きる力を弱めてしまいます。

そんなとき、まずわたしの心をそっと叩いてくださっているイエスさまに心を開きましょう、そう自分に言い聞かせているのです。