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いつくしみの特別聖年

村田 佳代子

今日の心の糧イメージ

フランシスコ教皇様は、昨年9月、2015年12月8日「無原罪の聖女」の大祝日から、2016年11月20日「王であるキリスト」の大祝日までを、「慈しみの特別聖年」と定めることを発表なさいました。

全ヨーロッパカトリック教会に難民家族の受け入れをアピールなさり、慈しみの特別聖年は「恵み、福音宣教、回心の時」であると宣言なさいました。

ゆるしの秘蹟の大切さがクローズアップされ、バチカンの「聖年の扉」をはじめ、各教区の司教座聖堂又は、司教様が指定なさる教会への巡礼を行うようにと招いて下さっています。

恵みとは第一に家族の幸せだとして、婚姻の秘蹟を恵みの源泉であると強調し、一方で堕胎の罪を悔いて赦しを願う者に対して、罪の赦しが与えられると許可なさいました。

昨年の10月には、バチカンのサンピエトロ広場の近くに、路上生活をする男性達の一時宿泊施設「いつくしみの贈り物」がオープンしたそうです。女性の路上生活者のためには以前から「マリアの贈り物」と名付けた宿泊所があるのですが、今回開設の男性用が「ヨゼフの贈り物」ではなくて、「いつくしみの贈り物」と名付けられた事にも、フランシスコ教皇様の特別な思いがありそうです。

そもそも慈しむとは大切にするとか、愛するという意味ですが、「いつくしみ」と名詞にしてしまうと微妙なニュアンスで、他に云い換えができません。

慈母と云うように大きく包み込むような暖かく深いやさしさ、人間より大きな存在の愛と云えば良いでしょうか。この特別聖年に当たりフランシスコ教皇様は聖年中、物理的・精神的ないつくしみの業を行う事を奨励なさっています。

難民救済をはじめ災害被災者や、病者、高齢者、幼児など、弱者に対しての無償の愛を実践する一年でありたいと思います。