第118課 ガリラヤの山の上での出現(マタイ 28・16~20)

 復活なさってからイエズス様はガリラヤで2回、弟子たちにお現われになりました。第1回目はガリラヤ湖のそばでしたが、2回目に出現されたのはある山の上でした。

 弟子たちがそこに集まっていた時、イエズス様は彼らにお近づきになって、「わたしには天においても地においても、すべての権能が与えられている。だから、あなたたちは行って、すべての国の人々を弟子にしなさい。・・・父と子と聖霊のみ名に入れる洗礼を彼らに授け、わたしがあなたたちに命じたことを、すべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたたちとともにいるのである」とおっしゃいました。

 このお言葉でイエズス様はご自分がお与えになる永遠の救いはイスラエル人のためだけでなく、すべての人々のためであると明らかになさいました。ですから、すべての国の人々を弟子にして、彼らに洗礼を授けるように弟子たちにお命じになったのです。

 また神様のみ名によって洗礼を授けるという意味で、「父と子と聖霊のみ名に入れる洗礼を彼らに授けなさい」とイエズス様はおっしゃいました。

 イエズス様はいつもお祈りをなさる時、「父よ」とおっしゃって、ご自分が「神の子」であることを主張され、神殿で教えられた時には「わたしと父とは一つである」(ヨハネ10・30)とおっしゃいました。また最後の晩さんの時、ご自分の姿が人の目には見えなくなっても弟子たちは神様の御助けを受けると予告なさり、「聖霊」が彼らの上におくだりになると述べられました。つまりイエズス様は唯一の神においては三つの位格、父と子と聖霊があるとお教えになりました。

 この教えを「三位一体の神秘」と言います。これは神様の無限な内的生命に関する教えですから、私たち人間の知恵ではその論理を充分理解することはできませんが、イエズス様のみ教えですからそれを信じるのです。

(つづく)