第107課 別れのあいさつ(ヨハネ 13・31~17・16)

 最後の晩さんが終って、イエズス様が弟子たちとお別れになる時が来ました。イエズス様はそのことを弟子たちにお知らせになって「わたしがあなたたちを愛したように、あなたたちも互いに愛し合いなさい」とおっしゃいました。

 イエズス様がいらっしゃらなくなることを聞いた弟子たちは大変悲しみましたが、イエズス様は彼らをお励ましになりました。ご自分は御父のもとへ帰られて、そこで、つまり天国で彼らの居場所を準備なさると説明され、弟子たちも死んでからご自分と一緒に天国の喜びに入れるだろうとおっしゃいました。

 またご自分の姿が目では見えなくなっても、ご自分は教えを守る弟子たちのもとにいつも留まっているとイエズス様は約束なさいました。「わたしを愛する者は、わたしの言葉を守る。わたしの父はその人をお愛しになり、わたしたちはその人のところに行き、そこに住む」とおっしゃったのです。

 またイエズス様は天国へお昇りになってから、弟子たちを守るために、聖霊つまり御父の霊を彼らに遣わすと述べられました。ご自分が殺されたあと、弟子たちもご自分と同じように多くの苦しみを耐え忍ばなければならないことを、イエズス様はよくご存じでした。しかし、聖霊の力に支えられて、その苦しみを耐え忍べば永遠の喜びを受けられるとイエズス様はおっしゃって、弟子たちを励まされたのです。

 イエズス様は弟子たちのこれからあとの人生を子供を産む女の人の苦しみにたとえられました。「女は、子を産むとき自分の時が来たので、苦しい思いをするが、子供が生まれると、一人の人間がこの世に生まれ出たという喜びのために、もはや産みの苦しみを忘れてしまう。あなたたちも、今は悲しんでいるが、わたしは再びあなたたちに会う。そうすれば、あなたたちの心は喜び、その喜びは、だれからも取り去られることはない」とイエズス様はおっしゃいました。

(つづく)