第105課 イエズス、弟子の足を洗う(ヨハネ 13・1~20)

 イスラエル人は特別な食事で過越の祭りを祝いました。イエズス様は亡くなられる前の晩、エルサレムの友人の家で12人の弟子と一緒にその食事をなさいました。これをイエズス様の最後の晩さんといいます。

 弟子たちが食卓についた時、イエズス様はたらいに水を取り、弟子たちの足を洗い、布でその足を拭き始められました。それを見た弟子たちは大変驚きましたが、なかでもペトロはイエズス様が自分の足を洗われることに強く反対しました。しかしイエズス様は「わたしがあなたを洗わなければ、あなたはわたしと何のかかわりもなくなる」とおっしゃって、続けて皆の足をお洗いになりました。

 それからイエズス様は「あなたたちは、わたしを『先生』とか『主』とか呼ぶ。そのように言うのは正しい。そのとおりだからである。それで、主であり、先生であるこのわたしが、あなたたちの足を洗ったからには、あなたたちも互いに足を洗い合わなければならない。わたしのしてやったとおりに、あなたたちもするようにと、模範を示したのである」とおっしゃいました。

 イエズス様が弟子たちの足をお洗いになったのは、本当の愛の模範を示すためでした。イエズス様が神様のおん独り子でありながら、自らへり下って弟子たちの足をお洗いになったように、弟子たちも謙遜な心をもって人々に奉仕をしなければならないと、教えられたのです。

 また、その時イエズス様はもう一つの大事なことをお教えになりました。それは、弟子たちが精神的に救われるにはご自分の力で罪のゆるしを受け、精神的にご自分によって清められなければならないということです。イエズス様がペトロに「わたしがあなたを洗わなければ、あなたはわたしと何のかかわりもなくなる」とおっしゃった言葉は、そのことを意味するのです。

(つづく)