第103課 イエズスのエルサレムでの歓迎(ヨハネ 12・12~19)

 イエズス様はベタニアから出られてオリーブ山の上のベテファゲの村へ行かれました。そしてそこで小さなロバを借りて、それに乗られ、エルサレムヘ向かわれました。

 するとベタニアからイエズス様について来た人々、また、イエズス様がラザロを復活させられたことを聞いてエルサレムからイエズス様を出迎えに米た人々が、なつめ椰子の木の枝を振って「ホザンナ。ほめ賛えられるように、主の名によって来られる方、イスラエルの王」と叫び始めました。つまりこの人たちはイエズス様を王様として歓迎したのです。

 それからイエズス様は群衆と一緒にオリーブ山を越えて、その西側を降り始められました。そこから、反対側の山の上にエルサレムが非常にきれいに見えましたが、イエズス様はその美しい風景をご覧になりながら、悲しくなられてお泣きになりました。そして、エルサレムに向かって、「もし、きょう、おまえもまた平和をもたらす道がなんであるかを知ってさえいたならば・・・。しかし、不幸にも今は、それがおまえの目には隠されている」とおっしゃいました。

 その時、大勢の人々がイエズス様を歓迎しましたが、1週間もたたないうちにエルサレムの人々がご自分を十字架につけて殺すことをイエズス様はご存じでした。しかしイエズス様が涙をお流しになったのは、ご自分が殺されるからではなく、エルサレムの人々が、ご自分を救い主として信じず、また、ご自分が与えられる救いを受けなかったからです。

 イエズス様は話を続けられ、エルサレムが不信仰のために敵に取り囲まれて完全に破壊されることを預言なさいました。「敵が・・・おまえの中に、重なった石を一つも残さないであろう。それはおまえが訪れの時を知らなかったからである」とおっしゃったのです。それからおよそ40年後にローマ軍がエルサレムを攻撃し、イエズス様の預言は実現されたのです。

(つづく)