第75課 ゆるし(マタイ 18・21~35)

 次に、イエズス様は、罪びとに対してどういう態度を取るべきかということを説明され、罪を犯した人がその罪を悔い改めるようにできるだけ努め、悔い改めた時には、彼らを心からゆるすべきであると教えられました。

 するとペトロは「何回までゆるしたらよいのでしょうか。7回までですか」と尋ねました。聖書では7という数字は無限を意味します。イエズス様は、何回でも人をゆるすべきであるということを強調するために、「7回どころか、7の70倍までも」とお答えになりました。

 それから、人をゆるすことがどれだけ大切であるかを説明するために、イエズス様は次のようなたとえ話を述べられました。

 ある王様が貸した金の決済をしようとした時、大きな借金のある人がみつかりました。その人には返すお金がありませんでしたので、王様は彼自身や妻と子、そして持ち物などすべてを売って借金を返すように命令しました。すると、その人はひれ伏して、「どうぞ、もうしばらくお待ちください。きっと全部お返しします」と願いましたので、王様はその借金を免除してやりました。

 ところが、その人が外へ出た時、自分にわずかの借金をしている人に出会い、すぐに借金を返すように言いましたが、この人は返すお金がなかったので、牢屋に入れてしまいました。王様はこのことを聞いて彼を呼び、「わたしはおまえが頼んだとき、負債を免じてやった。わたしがおまえをあわれんだように、おまえもあの仲間をあわれむべきではなかったか」と言って、彼を牢屋係に渡しました。

 イエズス様は、このたとえ話を述べられてから、「わたしの天の父も、もしあなたたち一人ひとりが、自分の兄弟を心からゆるさないならば、あなたたちに同じようになさるであろう」と弟子たちにおっしゃいました。

(つづく)