第68課 ペトロの信仰告白(マタイ 16・13~17)

 そのあとでイエズス様はもう少し北の方、ヘルモン山のふもとのフィリポ・カイザリア地方へ弟子たちと一緒に行かれました。

 そこでイエズス様は弟子たちに「人々は人の子(私)を何者だと言っているか」とお尋ねになりました。弟子たちは「洗礼者ヨハネだと言う者もあれば、エリヤだと言う者もあり、また、エレミヤとか預言者の一人だと言う人もいます」と答えました。要するに一般の人々はイエズス様を見て、昔の預言者の一人が復活していると思っていたのでした。

 するとイエズス様は「では、あなたたちはわたしを何者だと言うのか」とお聞きになりました。ペトロは「あなたは生ける神の子、メシア(救い主)です」と答えました。イエズス様は「あなたは幸いである。あなたにこのことを示したのは人間の知恵ではなく、天におられるわたしの父である」とおっしゃいました。

 その時イエズス樣は大変大事なことをお教えになったのです。それは信仰は一人ひとりに直接神様から与えられた恵みであるということです。ペトロは自分の知恵だけでイエズス樣を神の子、救い主として認めることはできませんでした。イエズス様がおっしゃったように特別な恵みを神様から与えられましたので、その真理を知ることができたのです。

 私たちについても同じことがいえます。イエズス様を自分の救い主として認めるためには、神様から信仰の恵みを受けなければなりません。信じたいと思えば、その恵みを受けるために祈るべきであり、その恵みを願うならば必ず与えられます。

(つづく)