第67課 天からのしるし(マルコ 8・11~26)

 イエズス様は弟子たちと一緒に舟に乗ってガリラヤ湖の対岸、つまり西の岸辺へ行かれました。そこに、或るファリサイ派の人たちがやって来て、イエズス様を試みようとして、ご自分が救い主である証明に天からのしるしを求めました。

 すでに、イエズス様は、苦しんでいる人、悩んでいる人、飢えている人たちを助けるために、たくさんの奇跡を行なわれ、ご自分が神としての力を持っていることを充分証明なさっていました。しかし、ファリサイ派の人たちは、そのしるしを度々見たにもかかわらず、ごう慢のために彼らの心は閉ざされ、その意味を認めることができませんでした。

 そのような人はいくらしるしを見ても信じようとしないことを、イエズス様はご存じでしたので、彼らのためには奇跡を行なわれないで、再び舟に乗って弟子たちと一緒にガリラヤ湖の北の方へ行かれました。

 彼らがそこに着いてからの様子は、聖書に次のように書かれています。

 「人々はイエズスのもとに盲目の人を連れて来て、さわってくださるようにお願いした。イエズスはその人の手をとって、村の外に連れて行き、両方の目につばをつけ、それに両手を当ててから、『何か見えるか』とお尋ねになった。すると、彼は見えるようになり、『人が見えます。木のようですが、歩いています』と言った。それから、イエズスが再び両手をその人の両眼に当てられると、彼はよく見分けることができた。目はもとどおりになり、すべてのものがはっきり見えるようになった」

(つづく)