第55課 からし種とパン種のたとえ話(マタイ 13・31~33)

 イエズス様は、さらにもう二つの種についての短いたとえをお話しになりました。それは、からし種とパン種についてのお話で、聖書には次のように書かれています。

 「天の国は、一粒のからし種に似ている。ある人がそれを取って畑にまいた。それは種のうちでいちばん小さいものであるが、成長したときは、どの野菜よりも大きくなり、空の鳥が来てその枝に巣を作るほどの木になる」

 「天の国はパン種に似ている。女の人がそれをとって3サトンの小麦粉の中に混ぜると、やがて全体が発酵する」

 この二つのたとえ話は同じようなことを教えています。天の国、つまり、神の国が種のように成長することです。

 イエズス様は一つの小さい国、イスラエルで、神の国の種をおまきになりました。それから2000年の間に、その種はからし種のように成長して、大きな木になり、その枝は世界中のいたるところに伸びていきました。又、イエズス様がまかれた霊的な種は、パン種のようにふくらんでいき、すべての人間の社会に広まって、私たちの社会生活に大きな影響を及ぼしています。

 このたとえ話は、神の国が、イエズス様のみ教えに従って生活するようにつとめる人の心の中で、種のように成長するということも意味しています。イエズス様のみ教えを信じ、実行するようにつとめていきますと、信仰はパン種のように大きくなり、その人の生活のすべては強く信仰と結ばれていきます。

(つづく)