第12課 奇跡の意味

 次に奇跡の意味についてちょっと考えてみたいと思います。

 奇跡というのは自然の法則に拘束されていない神様の特別な超自然的な行いであります。科学の教えるところによりますと、自然界の全てのものはある特定の法則に従って動いています。私たちはその自然の法則に従って生活し、なにかものを作りたいと思えばその法則に従って作らなければなりません。例えば、ぶどう酒を作りたいと思えばぶどうを使い、時間をかけてゆっくりと作らなければならないのです。

 しかし自然の法則がどうしてあるかといいますと、神様が天地万物をお造りになった時に、その自然の法則をお定めになったからです。神様は自然界の上に立っていらっしゃいますので、ご自分がお定めになった法則に拘束される必要はなく、また、神様が必ずしもその自然の法則に従って動かなければならないということはないのです。やろうと思われれば別の方法で動くことがお出来になるのであります。

 例えば神様が全能の力をもってすべての天地万物をなにもないところからお造りになったことを考えると、ぶどうを使わないで普通の水から瞬間的にぶどう酒を作ることは、神様にとって全然むずかしいことではないはずです。カナの結婚式の披露宴の時にイエズス様はそのような奇跡を行われ、また生まれながらの盲人の目を治し、死んだ人を復活させるなどの奇跡を行われることによって、ご自分に神としての力があることをお示しになりました。

(つづく)