第10課 悪魔の誘惑(マタイ 4・1~11)

 イエズス様は洗礼者ヨハネから洗礼をお受けになってから、近くの荒れ野で40日間断食なさいましたが、聖書によりますと、その40日間が終わった時、悪魔が現われイエズス様を誘惑しました。

 初めに悪魔はイエズス様が飢えていることを知って「もし、あなたが神の子なら、これらの石がパンになるように命じなさい」と言いました。しかし、イエズス様は「人はパンだけで生きるのではない。神の口から出るすべてのことばによって生きる」とお答えになりました。

 それから悪魔はイエズス様をエルサレムの神殿の一番高い所へ連れて行き、もし、あなたが神の子なら、身を投げなさい。神はあなたのために天使たちに命じ、あなたの足が石に打ちあたらないように手であなたをささえさせる」と言いましたが、イエズス様は「あなたの神、主を試みてはならない」とお答えになりました。

 その時、悪魔は飢えている体を楽にするために奇跡的にパンを作るように、また人々の関心を集めるために、つまり自分の名誉のために高い所から体を投げて、奇跡的に傷つくことなく地面に落ちるようにイエズス様を誘惑したのです。イエズス様はあとで人々を助けるためにたくさんの奇跡を行われましたが、ご自分の生活を楽にするためや、ご自分の利益のためには奇跡を一度も行われませんでした。

 最後に悪魔はイエズス様を高い山へ案内して「もしあなたが、ひれ伏してわたしを拝むならば、これらのものを皆あなたにあげよう」と言いましたが、イエズス様は「サタンよ、退け。あなたの神、主を拝み、ただ主のみに仕えよ」とおっしゃったのであります。

 悪魔は、イエズス様を試みたように、私たちにも自分の利益のために悪いことをするように誘惑しますが、その時私たちがその誘惑に負けるかどうかということによって、イエズス様の本当の弟子であるかどうかということがわかるのであります。

(つづく)