第7課 12才のイエズス(ルカ 2・39~50)

 イエズス様はマリア様、そしてヨセフと一緒にしばらくの間エジプトでお暮らしになりましたが、ヘロデの死後、イスラエルのナザレという町に戻られ、イエズス様は30才になる迄、そこで普通の人と同じような生活をお送りになりました。

 聖書によりますと、イエズス様はその30年の間に一度だけ、神としての知恵をお示しになりました。それはイエズス様が12才の時でした。イエズス様は、マリア様とヨセフと一緒に過越の祭を祝うためにエルサレムへ行かれましたが、帰りに行方不明になられました。

 ナザレから来た人々は、朝早くエルサレムを出発しました。マリア様とヨセフは、イエズス様が親戚の人たちと一緒に歩いておられるものと思い込んでいましたが、夜になってイエズス様がいらっしゃらないのに気づきました。二人はエルサレムへ戻り、イエズス様を捜しました。そして三日目に、神殿で学者たちの真ん中に座って問答をしておられるイエズス様を見つけました。

 聖書によりますと、その時、年寄りの学者たちは、イエズス様のすばらしい話しを聞いて、12才の男の子にこれほどまでの知恵があることに驚き、大変感心しました。

 その時、マリア様がイエズス様に向かって「あなたは、どうしてこんなことをしましたか。お父さまもわたしも心配して、あなたを捜していたのです」と言うと、イエズス様は「どうして、わたくしをお捜しになったのですか。わたくしが自分の父の家にいるのはあたりまえだということをご存じなかったのですか」とお答えになりました。

 これはイエズス様の聖書の中での初めてのみ言葉ですが、その時、イエズス様は、はっきりと、神様のお独り子としての使命をお示しになったのであります。

(つづく)