第3課 イエズスの誕生(ルカ 2・6~7)

 マリア様がナザレヘ帰ってから数ケ月後、ローマ皇帝の命令によって、イスラエルの国で国勢調査が行われることになり、イスラエルの人々は皆、自分の本籍地へ戻って、名前を届けなければならないことになりました。ヨセフの本籍地は南の方の町ベツレヘムでしたので、マリア様を連れてそこへ出かけました。2人がベツレヘムについてからのことが聖書に次のように書かれています。

 「2人がそこにいる間に、マリアはお産の日が満ちて、男の初子を産んだ。そして、その子をうぶぎにくるみ、かいばおけに寝かせた。宿屋には、彼らのために場所がなかったからである」 つまり長い旅を終えてマリア様とヨセフがベツレヘムに着いた時には、すでに宿屋はどこもいっぱいで泊まる所がなく、2人は馬小屋で泊まることになりました。そして、イエズス様はその馬小屋でお生まれになったのです。

 神様のおん独り子であり、また、全人類の救い主であるイエズス様が、そのような貧しい所でお生まれになったのは、偶然のことではなく、神様の御計画によるものでした。イエズス様は貧しい所でお生まれになっただけではなく、十字架上で亡くなられる迄の33年間、ずっと貧しい生活をお送りになりました。それは私たちに大事なことを教えられるためでした。

 お金があって、ぜいたくな生活ができる人は幸せだと、よく言われますが、イエズス様は貧しい所で生まれ、貧しい生活を送られることによって、お金や、物質的財産よりも、霊的な富の方が大事だということを教えられました。そのことを、あの有名な山上の説教の中でイエズス様は「心の貧しい人は幸いである、神の国は彼らのものである」とおっしゃったのであります。

(つづく)