第11課 神の創造と進化論

「イエズスはかれらとともに下り、ナザレ
に帰って、二人にしたがって生活された」
(ルカ2の51)

聖家族内のイエズス・キリストのご生活には、どういうできごとがありましたか。
聖家族内のイエズス・キリストのご生活とそのできごとは、新約聖書によってよくわかります。

 ユダヤのベツレヘムにお生まれになったイエズスは数日の後、マリアとヨセフに連れられてエルサレムの神殿へおいでになり、当時の習慣に従って神にささげる儀式をお受けになりました。

 そして再び戻ってきたベツレヘムのそまつなすみかにあらたな訪問者がやって来ました。東の国の学問のある偉い人たちが、自分の国にいたときに不思議な星が空に輝いているのを見て、これはユダヤの予言者によって伝えられている救い主が生まれるというしるしに違いないと考えはるばるやってきたのでした。

 この人たちはエルサレムを通ってベツレヘムにたどりつきました。そこで、なお頭上に輝く星に導かれて幼な子イエズスを見い出し、羊飼いたちと同じようにその前にひざまずいて礼拝をささげました。そして、黄金、乳香、もつやくなどの高価なおくりものを取り出すと、イエズスの足もとにささげました。

 この東方の賢人たちは、ヘロデ王からイエズスを見い出したら帰りに知らせてほしいとたのまれていましたが、ヘロデ王のもとに寄らず別の道を通ってそれぞれ自分の国へ帰ってしまいました。これを知ったヘロデ王は、幼な子が、人民にとって本当の救い主になってしまっては大変だと恐れ、手下の兵隊を送ってベツレヘムとその近くにいた2才以下の男の子を全部殺させてしまいました。

 しかし、王はキリストをほろぼすことができませんでした。というのはヨセフが夢に警告を受け、ヘロデ王の怒りをさけるためにマリアとイエズスをつれてエジプトヘ逃げた後だったからです。そして、イエズス、マリア、ヨセフの3人は、ヘロデが死ぬまでそこに住み、その後ナザレへ帰り、ヨセフは前の大工の仕事にもどって働きました。聖書はそのころのイエズスについて「子供は次第に健やかに成長し、知恵にみたされ、そして神の恩寵にめぐまれていた」と書いています。(ルカ2の40)

 イエズスは30才になるまでナザレの町に住んでヨセフについて大工の仕事をおつぎになりました。この間のイエズスのご生活はただ一度12才のときにエルサレムの神殿に行かれたときのことを除けば、外面的に特にほかの青年たちと少しも変わるところはありませんでした。その時イエズスは神殿に集まったユダヤの最もすぐれた学者たちに交じって、かれらがとてもかなわぬほど立派な問答をなさいました。聖書にはこのことを「聞いている人々は、その子の知恵と答とを不思議がっていた」と書いてあります。(ルカ2の47)

 このようにして、わずか12才に過ぎないのに、ご自分のお持ちになるすぐれた知恵をお現わしになってイエズスはマリアとヨセフに従ってナザレへお帰りになりました。それから数年の後、ヨセフはなくなりイエズスはご自分の公生活を始め、人類の救い主としての使命をおあらわしになるときがくるまで、御母マリアと共にお暮らしになりました。

(つづく)