第10課 キリストのご降誕

「マリアは初子を生んだので、布につつんでまぐさおけに子供を横たえた、それは旅館にへやがなかったからである」
(ルカ2の7)

イエズス・キリストはいつ、どこでお生まれになりましたか。
イエズス・キリストは、西暦紀元ごろにユダヤ国の町ベツレヘムで
お生まれになりました。 

 キリストはユダヤの国のベツレヘムという小さな町にお生まれになりました。それまでずっと北の方のナザレという村に住んでいたマリアとヨセフがその時、ベツレヘムへ行ったのは自分たちの考えからではなく、ローマ帝国の皇帝セザル・アウグストから出た命令に従ってのことでした。皇帝はローマ帝国の全領土内の人工調査をすること、そしてそのためにだれも皆自分の故郷へ帰って届けをすることを命じたのです。そのためにマリアは出産の時期が迫っているのに、ヨセフといっしょにやっかいな旅路をたどって、歩いたり、ロバに乗ったりしてベツレヘムへ行かなければなりませんでした。ベツレヘムに着いてみると旅人や巡礼などが一時にどっとたくさん集まったのでヨセフのような貧しい大工やその妻マリアには泊まるへやをみつけることができず、やむをえずうすぎたない馬小屋に一夜を明かしました。キリストはそこでお生まれになったのであります。貧しいものの中でも一番貧しいものの間に生まれ、まぐさおけの中に寝かされておいでになります。

 マリアとヨセフはいつまでも馬小屋で静かに隠れているわけにはゆきませんでした。というのは、まもなく羊の鳴き声や人の足音が聞こえ、やがておだやかな声がして人がたずねて来たからです。その足音と人声は馬小屋に生まれるであろうと聞かされた子供を探し求めてやって来た羊飼いたちでした。かれらはその夜、近くの町はずれの牧場で羊のむれの見張りをしていたのですが、そのとき、かれらは天使を見たのです。そのありさまは目もくらむばかりで、天使の言葉は不思議に満ちておりました。天使は「おそれることはない、すべての人々の大きなよろこびの知らせを私はあなたたちに告げよう。きょうダビデの町で、あなたたちのために救い主がお生まれになった。すなわち、主キリストである。あなたたちは、布につつまれてまぐさおけにねかせてある子供を見るだろうが、それがしるしである」と言いました。するとたちまち、天の軍勢の大群が天使に加わり「いと高き所には神に栄光、地には善意の人々に平和」と神を讃美するのでした。(ルカ2の10~14)

 天使の言った言葉に従って、その羊飼いたちはダビデの町ベツレヘムへやって来ました。そこでかれらは自分たちに言われたとおりにまぐさおけに寝かされた子供をみつけたのです。大きなしあわせと喜びに満たされて、かれらは幼な子イエズスを拝み、礼拝をささげました。

 神の御ひとり子、全人類の救い主であるキリストがこういった貧しい所でお生まれになったのは偶然のことではなく、神の摂理によるものです。つまり、キリストは私たちに謙遜の模範を示すために、わざと貧しい所でお生まれになりました。

 これが最初のクリスマスですが、このクリスマスの意義を考え、幼な子イエズスの模範にならって、私たちも謙遜な生活を送るようにつとめようではありませんか。

(つづく)