第9課 聖母マリア

「天使はマリアのところに来て、“あなたに挨拶します、恩寵にみちたお方! 主はあなたと共においでになります。あなたは女の中で祝福された方です”といった」
(ルカ1の28)

聖マリアが「神の御母」と言われるのはなぜですか。
聖マリアが「神の御母」と言われるわけは、神の永遠の御子が、聖マリアから
人間性をお受けになったからです。そのために、聖マリアは、人でありながら、
ほかの被造物にはるかにまさる尊厳を与えられているのです。

 イエズス・キリストの一生についての物語はひとりのおとめの話しから始まります。そのおとめは名をマリアと言いました。マリアは今のイスラエルの北の方にあるガリラヤの国のナザレという小さな町に住んでおり、ヨセフという名前の人と結婚することになっていました。マリアは当時の一般のユダヤ人の娘たちと同じように簡素な生活を送っており、神の召し出しを受けて救い主の母になるというようなことは夢にも考えていませんでした。

 もうすぐヨセフと結婚するというときになって、マリアは、神がお定めになった自分の歴史的な地位に目ざめるようになったのでした。と言うのは、ある日何の前ぶれもなく、神からつかわされた天使があらわれてマリアは驚くべきことを知らされたのです。

 「神の恩恵にみちたおかた! 主はあなたと共においでになります。あなたは女の中で祝福されたかたです」(ルカ1の28~38)

 天使は、なおも言葉を続けます。「おそれるな、マリア! あなたは神のみまえに恩恵をえたのです。あなたはみごもって子を生むでしょう。その子を、イエズスと名づけなさい。それは偉大なかたで、いと高きものの子といわれます。・・・その国は無窮のものです」天使の言葉は前よりもさらに不思議さを加えてきます。

 そこでマリアは「わたしはまだ男を知らないのに、どうしてそんなことになるのですか?」と聞きました。

 天使はその意味を説明して次のように言いました。「聖霊(神)があなたにくだり、いと高きものの力のかげがあなたをおおうのです。生まれる御子は聖なるおかたで、神の子といわれます」

 天使の言葉を神のおぼしめしと考え、マリアはイエズスの母となることを承諾なさいました。「わたしは主のはしためです。あなたのお言葉のとおりになりますように」こう答えたとき、神の御力によってマリアはおとめでありながらイエズスをその胎内にやどしました。

 神は、私たちと同じようにマリアをお造りになったのです。しかし、神は彼女を特別な目的のために、特別な祝福を与えてお造りになりました。神は、マリアを神ご自身の御子(世の救い主)の母親にするためにお造りになったのですが、彼女は生まれた瞬間からすべての罪のけがれを免れ、この偉大な光栄を受けるにふさわしいかたでした。

 彼女は一点のけがれもない心の持ち主で、清らかな一生を送りました。私たちがマリアに特別な敬意と尊敬を示すのは当然であり、また、私たちは汚れのない生活を送り、キリストのもとに召されるために、マリアに見習うように努力すべきであります。

(つづく)